発表論文

新着情報

2018.3.28
ゼブラフィッシュのミネラルコルチコイド受容体に関してPNASにletterを発表しました。カルフォルニア大学のBaker教授との共同成果です。 FiorらはPNAS誌上で、ゼブラフィッシュにおける異種移植はガンを治療するためのオーダーメイド医薬品を開発するための有望な方法である事を示しました(PNAS 114 [39]: E8234-E8243)。これは、ヒトの癌をゼブラフィッシュに移植して癌治療のための薬を開発するために有効な手法であると考えられます。しかしながら、私たちはゼブラフィッシュのミネラルコルチコイド受容体(mineralocorticoid receptor, MR)がヒトのMRとは対照的にプロゲステロンによって活性化(転写の活性化)されることを見出しました。この実験証拠に基づいて、私たちはFiorらの論文のステロイド依存性腫瘍を研究する方法には注意すべき点が含まれると考えています。要するに、ゼブラフィッシュにヒトの腫瘍移植を行う実験では、ゼブラフィッシュの生体内におけるプロゲステロン合成がゼブラフィッシュのMRを活性化し潜在的に移植されたヒトの腫瘍の生理的状態を混乱させることにつながる恐れがあることを示唆しています。PNAS 115: E2908-E2909 (2018)

2017.6.21
ミネラクルコルチコイド受容体の関するレビューがJournal of Endocrinologyにアクセプトされました。カルフォルニア大学のBaker博士との共著です。今年はソーク研究所のRon Evansのグループによってミネラルコルチコイド受容体が単離されてから30年という節目の年になります。本レビューでは、最新の研究成果を紹介しつつミネラルコルチコイド受容体の分子進化に焦点を当てて、配列・構造そして機能について解説をしています。
Evolution of the mineralocorticoid receptor: sequence, structure and function
Michael E Baker and Yoshinao Katsu
Journal of Endocrinology 234: T1-T16 (2017)
http://joe.endocrinology-journals.org/content/234/1/T1.full.pdf+html

また、掲載された号の表紙には1985年に撮影されたRon Evans博士の写真とともに私たちのreviewの図が使用されています。
http://joe.endocrinology-journals.org/content/234/1.cover-expansion

2017.6.16
ミネラルコルチコイド受容体の種特異性・リガンド特異性の成果をまとめて、bioRxivに載せました。査読付き雑誌への投稿はこれからですが、奥の研究者の目に止まることを期待しています。

2016.8.17
古代魚のミネラルコルチコイド受容体の単離とホルモン応答性解析の論文を発表しました。古代魚であるチョウザメとガーから副腎ステロイドの受容体であるミネラルコルチコイド受容体遺伝子の単離に成功しました。その受容体のホルモン応答性を調べたところ、一般的に知られている副腎ステロイド(コルチゾールやアルドステロン)に強く応答することが分かりました。さらに、ヒトのミネラルコルチコイド受容体では反応しない黄体ホルモンであるプロゲステロンにも反応することが判明しました。また、ミネラルコルチコイド受容体拮抗作用を持つスピロノラクトンにも反応して転写活性を増加させることを明らかにしました。ヒトと古代魚のミネラルコルチコイド受容体はホルモン応答性が異なることを示す研究結果です。今後、チョウザメやガーの生体内機能の解明が待たれます。本論文は、北大とカリフォルニア大学による国際共同研究による成果です。

2016.7.21
ヤツメウナギの第2のエストロゲン受容体単離と機能解析の論文を発表しました。先に北大水産学部の西宮さん、東藤先生、原先生のグループから報告されたヌタウナギと同様にどうやら無顎類はエストロゲン受容体を2種類持っているようです。しかし、ヒトがもつアルファ型・ベータ型のように分類されることはなく、無顎類での遺伝子重複によって出現した2種類だと考えられます。さらに、ヤツメウナギの2番目のエストロゲン受容体は、エストロゲンには結合できない、すなわち転写活性を持たないことも判明しました。今後、ヤツメウナギの生体内機能の解明が待たれます。本論文は、北大、オレゴン大学、シカゴ大学、東京大学、カリフォルニア大学、基生研による国際共同研究による成果です。

2016.6.28
ヒト、ニワトリ、ワニ、そしてカエルのグルココルチコイド受容体が様々な副腎ステロイドに対してどのように応答するのかを調べた論文を報告しました。同じグルココルチコイド受容体であるにもかかわらず種によって応答するステロイドが異なること、またリガンド結合領域を使ったアッセイでは全長を使った場合と応答性が異なることなど、グルココルチコイド受容体のリガンド依存的な転写活性の基本的な分子メカニズムに関する重要な結果を出しています。

2016.6.9
北大水産学部の西宮さん、東藤先生、原先生のグループからヌタウナギのエストロゲン受容体単離に関する論文が報告されました。エストロゲン受容体の分子進化を探る上で非常に重要な論文です。当研究室もレポータージーンアッセイ用のコンストラクト提供のお手伝いをしています。西宮さん、おめでとうございます。

2016.5.7
岡さん(2015年3月学位取得)のワニAhRに関する論文がアクセプトされました。ワニから3種類のAhRと2種類のArntを単離し、転写活性について詳細に調べた論文です。アクセプトまでに時間がかかりましたが、内容の濃い素晴らしい論文だと思います。岡さん、おめでとうございます。

2016.4.9
基礎生物学研究所の井口先生のラボで3月に学位を取得した谷津くんが論文を発表しました。爬虫類、その中でも有隣目に着目してエストロゲン受容体の解析を行っています。当研究室もエストロゲン受容体cDNAの単離のお手伝いをしています。

2015.12.18
Scientific Reports に温度受容体ファミリーの一員であるTRPV4がワニの温度依存的性決定機構に関与することを示す論文が出されました。勝先生が井口研究室に所属していた時に開始したプロジェクトで2007年4月にTRPV4の遺伝子の単離に成功したものです。その後、生理学研究所の富永先生・斎藤先生、またアメリカのジレット先生・河野先生のご協力のもと進められ、井口研の大学院生の谷津君の努力よって見事に完成した論文です。非常に嬉しく思います。

2015.8.10
J Steroid Biochem Mol Biol に岡さんの論文がアクセプトされました。副腎ステロイド受容体であるグルココルチコイド受容体に関する内容です。古代魚であるガーからグルココルチコイド受容体の単離を行い、ヒトの受容体と副腎ステロイドに対する応答性を比較検討しています。さらにホルモン依存的な転写活性化においてN側の構造であるA/B領域の重要性を示しています。なお、本研究はカリフォルニア大学のBaker教授との国際共同研究の成果になります。

2015.2.28
Endocrinology に Koho 先生(Medical University of South Carolina)の論文がアクセプトされました。ワニは胚発生中の温度によって性が決定します。しかし、オスになる温度で処理した時に女性ホルモンであるエストロゲンを投与するとメスになります。本論文では、このエストロゲンによる性転換は、2種類存在するエストロゲン受容体の中でベータ型ではなくアルファ型によって制御されてることを示しています。私たちの研究グループは、in vitro における様々なエストロゲン受容体に対するアゴニストに対する影響についてお手伝いをしています。

2015.2.28
Endocrinology に早稲田大学の中村先生の研究グループから両生類のAMHに関する論文がアクセプトされました。AMHの遺伝子単離、染色体マッピング、発現解析、など様々な観点から解析を行っています。私たちの研究グループがワニのAMH解析を行っていた関係から、SOX9によるAMHの発現調節に関するお手伝いをしています。